都知事選でポピュリズムの台頭の目が見えたのか

5分で分かる都知事選の選び方|たかまつなな(お笑いジャーナリスト ...

東京都都知事選は小池百合子都知事の圧勝で終わりましたが、都知事選の前に山本太郎候補と立花孝志候補がどれだけ得票できるかで日本にもポピュリズムの台頭の目が見えると大風呂敷を広げたメディアがありました。

しかし、蓋を開けてみると山本太郎氏は善戦したようには見えますが、立花孝志に至っては目も当てられない状態でした。それよりも、日本におけるポピュリズムの台頭は桜井誠氏に代表される排外主義、嫌韓反グローバリズムなどの、特に韓国に対する嫌悪感が有権者の投票行動の原動力になり得るということが明らかになったことで、これからは韓国に対する憎悪を前面に出した候補者が一定の得票を得ると見た方がよいのかもしれません。

それでは何故そのような事態になったのでしょうか。それは日本から見れば、全的に韓国が悪手をことごとく打ったことにあると思われます。いわゆる慰安婦の問題にせよ、募集工の問題にせよ、輸出強化の問題にせよ、軍艦島の問題にせよ、全てにおいて韓国は日本の国民の神経を逆なでする行動を取ったということです。

政治がこれを利用しない手はありません。予想通り、都知事選で韓国問題に法を犯してでも斬り込んでいる在特会の元会長の桜井誠氏が衝撃の得票を獲得したのです。これが日本のポピュリズムの姿だとすると日本人の少なからぬ人たちは、韓国に対する憎悪で憤懣遣る方なし、の状態にあるといえます。

しかし、憎悪を煽るのはポピュリズムの常套手段とはいえ、そうなると憎悪感情は増幅されて、取り返しのつかないことになります。憎悪は対韓国ばかりに留まらず、何事に対しても憎悪で対処する嫌な社会が訪れることになるのです。

その社会は人々はいつも荒れていて、人間関係はギスギスし、その結果、国民世論は憤懣を代弁してくれるそれこそポピュリズムの政治にどっぷりと浸って全体主義の萌芽が芽生える素地が形作られることでしょう。憎悪を煽るポピュリズムは大変危険であることを肝に銘じておくべき時に日本はおかれているように思います。